コーチング1グループ

発達障害(LD/ADHD/ASD)・グレーゾーン専門の個別指導塾・家庭教師

記事一覧(82)

主な発達検査・知能検査の種類と目的

医療機関だけでなく児童発達支援センターなどでも受けることが可能である発達検査・知能検査ですが、様々な種類があります。そこで今回はよく使用される4種類の発達検査・知能検査をご紹介したいと思います。・WISC-Ⅳ知能検査(ウェクスラー式知能検査)適応年齢 5歳0ヶ月~16歳11ヶ月WISC-Ⅲの改訂版で世界でも広く利用されている代表的な児童用知能検査です。全15の下位検査(基本検査:10、補助検査:5)で構成されており10の基本検査を実施することで5つの合成得点(全検査IQ、4つの指標得点(言語理解指標、知覚推理指標、ワーキングメモリー指標、処理速度指標)が算出されます。それらの合成得点から子どもの知的発達の様相をより多面的に把握できます。・田中ビネー知能検査Ⅴ適応年齢 2歳~成人田中ビネー知能検査Ⅴでは14歳以上の被験者には精神年齢を算出せず偏差値知能指数だけを求めるようになっています。14歳未満の児童にも必要に応じて偏差値IQが出せるようになっているが採点マニュアルを参照すると偏差値IQは比率IQよりきつめに数値が出る傾向にあるようです。また14歳以上では結晶性、流動性、記憶、論理推理の4分野についてそれぞれ偏差値IQを出すことが出来る様になっています。・K-ABC知能検査適応年齢 2歳6ヶ月~12歳11ヶ月子どもの得意とする知的活動の特徴を総合的に評価し教育・指導に直結させることが出来たり、子どもの知的活動を認知処理過程と知識・技能の習得度の両方面から詳しく分析する検査です。認知心理学、神経心理学の最新の理論と研究をもとに子どもの知的活動の水準を測定し検査結果にもとづいて子どもの教育・指導のためのプログラムを作成することができます。・新版K式発達検査2001適応年齢 0歳~成人「姿勢・運動領域」「認知・適応領域」「言語・社会領域」の3領域で構成されています。3歳以上では「認知・適応領域」面「言語・社会領域」面に重点を置いて検査されます。この検査は子どもにとって遊びと感じられるようで子どもの自発的かつ自然な行動が観察しやすいようになっています。試験者は子どもの検査結果だけでなく言語反応、感情、動作、情緒などの反応も記録し総合的に判断しでいます。それぞれの検査に特徴がありますので、お子様の状態に合わせて検査をお選びになられることをお勧めします。また発達検査・知能検査の受け方や費用は検査内容や病院、受診機関によって異なってきますので事前にお問い合わせてみてください。

発達障害の診断の流れ

先日ご紹介した発達障害の相談機関ですが、相談の結果医療機関での診断を提案される場合があります。そこで今回は一般的な医療機関での診断の流れをご紹介したいと思います。①受診機関お子様の年齢によって受診機関が異なります。子供の場合は専門医のいる小児科や小児発達神経科、児童精神科で受診することができ、思春期以降の場合は精神科でも受診を行います。専門の科が近くにない場合はご相談を行った地域の保健センターや児童相談所、発達障害者支援センターから発達障害を診断してくれる医療機関を紹介して頂けます。②診断の概要医療機関では面談(観察)や脳波などの生理学的検査、認知・知能などの心理検査などから総合的に発達障害かどうかを診断します。診断については「DSM-5」や「ICD-10」と呼ばれる国際診断基準に従って下されることになります。診断にあたってはお子様の今までの発達状況を踏まえた上で診断が下されます。③面談(観察)について発達障害の場合問診や行動観察や生育歴の確認が非常に重要となります。お子様の検査の場合保護者に聞き取りを行うことが多いです。身近な相談機関へ相談する際の準備物でもあったお子様のメモ、母子手帳、成績表、連絡ノートや学校のプリントやノートを持参されていると大変役立ちます。④検査発達障害の診断にあたって検査結果も大事となります。発達障害向けに行われる検査は主に身体的な検査と心理的な検査に分かれます。身体的な検査としては脳波検査やCT検査などが行われ、発達障害の症状と似ている障害と見分けるために遺伝子検査や血液検査等の検査が行われる場合があります。心理的な検査としては主に発達検査と知能検査が行われます。また精神疾患との疑いが見られる場合は精神病に関する検査を行う場合もあります。この中で発達検査と知能検査については児童発達支援センターや療育機関といった医療機関以外でも検査を行っているところもあります。ただし発達、知能検査だけでは確定診断は出ません。診断はあくまで医師が問診や様々な検査結果から総合的に行います。この発達検査と知能検査と確定診断との関係性については後日改めて詳細をご紹介したいと思います。

発達障害と相談機関

自分や我が子に発達障害の可能性に気付いたら誰でも困惑します。障害を受け入れることが困難な場合もあるかもしれませんが発達障害は早期発見・早期療育が非常に重要です。そこで今回はお子様の発達障害に関して相談可能な機関をご紹介したいと思います。発達障害に関する相談を受けてくれる機関として保健センター・子育て支援センター・児童相談所・発達障害者支援センターなどがあります。各機関の事業内容は地域等によって異なりますが、指導や助言などを行ってくれます。以下詳細をご紹介します。・市町村保健センター保健センターは都道府県が設置する保健所とは異なり市町村が設置し、母子保健・老人保健を担っています。1歳半・3歳児健診などで足を運んだことがある人も多いでしょう。市町村保健センターでも発達やことばなどに関する悩みを聞いてくれる発達相談を行っています。市町村保健センターでは市区町村により異なる場合がありありますが、子供だけでなく高校生や成人に対する発達障害の相談も受け付けています。市町村保健センターの相談は予約制の場合が多いので、あらかじめ電話などで確認するようにしましょう。・児童相談所0歳~17歳の児童を対象として保健相談・発達障害などの心身障害相談を行っています。必要に応じて発達検査などを行う場合もあり医師や児童福祉士、保健師、児童心理士、言語聴覚士などの支援や療育などのアドバイスがもらえます。・発達障害者支援センター保健・教育・労働などの関係機関と協力しながら、発達障害者の総合的な支援を行う施設です。発達障害者支援センターの行う支援には、主に相談支援・発達支援・就労支援・普及啓発支援・研修支援などがあり、専門的に支援してくれます。発達障害者支援センターが近くにない場合には、電話相談も受け付けています。・子育て支援センター子育てをしている家庭の支援活動を行う施設であり育児に関する不安の相談に応じてくれます。子育てサークルの支援もおこなっていて発達障害児のサークルなどが活動を行っている場合もあります。相談する前に…発達障害の相談で上手に自分の状態を伝えるためにも事前にいくつかのことをメモなどにまとめて行くと良いでしょう。子供の発達障害の相談については親が見ていない学校や幼稚園での様子を細かく聞いてメモしておくと良いでしょう。*自分が困っていること・問題点自分のうまく出来ないことや家族や友人との問題点などを書き出しておくと実際に相談するときに混乱することなく説明できます。文章でなく図や表で表しても良いでしょう。*生育暦生まれてからの様子を確認しておくと良いでしょう。人見知りがあったのか、どんな遊びが好きだったのか、言葉を話し始めた時期などわかる範囲で確認しておきましょう。

ご家庭で出来るビジョントレーニング

以前ご紹介した視空間認知を鍛える方法(ビジョントレーニング)ですが専門家にかからずとも自宅や学校でも行うことができます。ですので今回はご家庭でも行える訓練法をご紹介したいと思います。ご家庭で訓練を行う際もお子さんの問題にあった適切なトレーニングを行うことが重要です。「見る力」のうち、眼球運動、視空間認知、目と体のチームワークのどこに弱さがあるかを把握することからはじめましょう。現在ビジョントレーニングに関する本がたくさん出版されており、専門家ほど詳細ではありませんがチェックシートが添付されていることもがあるので、どの部分に課題があるかどうかをおおまかに把握することが可能です。トレーニングは日常的に行うことが望ましいです。推奨される時間は3~15分と若干幅があるもののできれば毎日行っていきましょう。①眼球運動のトレーニング方法眼球運動のトレーニングでは目を上下左右に動かして視線をスムーズに動かすトレーニングを行います。繰り返し行うことで正確にすばやく情報を目でとらえる力が身に付きます。例えば線や点を目で追うトレーニングが考えられます。あみだくじのようにスタートとゴールを設定し、交差させたりぐるぐると渦巻いたりした線を書いた紙を準備します。スタートからゴールまでの線を目を追っていくことで、目の追従眼球運動を鍛えることができます。②視空間認知のトレーニング方法視空間認知を鍛えるためには実際に「ものを手でさわって動かす」ことが有効となります。この能力を育むトレーニングでは具体物を使い見本をもとに形を再現するような練習を行います。例えば大人が作った見本と同じようにブロックを作ったり、見本と同じように色を塗ったりすることで視空間認知能力を鍛えることができます。他には服をコーディネートして写真に撮り実際目の前に服をもってきて同じように再現する遊びなどもよいでしょう。難易度をあげたければ見本を見せる時間に制限をかけて頭で記憶するように工夫してみるのもよいでしょう。またワークシートを使ったトレーニングもあります。机の上に置いたシートを見ながら行うので、目の細かな動きやそれに合わせて手先の動きの訓練を行うことにもつながります。③目と体のチームワークのトレーニング方法目で見たものにすぐに反応をして適切に体を動かすためのトレーニングを行います。目と体のチームワークを高めるためには、目と体の動きを連動させるような練習をします。例えば「↑ → ↓ ← 」などと矢印がランダムに描かれた紙を使用してトレーニングを行うことができます。2人組となり1人が上記の矢印が描かれた紙をもち指差していきます。もう1人の人は、指差された矢印の方向に動きます。「↑」だとジャンプする、「↓」だとしゃがむ、「→」だと右に一歩ずれる、「←」だと左に一歩ずれる、というように目で見た通りに体を動かすような練習を行ってみてください。

発達障害による疲れとその対処法②肉体的な面

自閉症などの発達障害の人のなかにはとても疲れを感じやすい方がいらっしゃいます。その疲れは大きく分けて、「精神的な疲れ」と「肉体的な疲れ」の2種類に分類されます。それぞれの疲れが起こる理由と簡単な対処法をご紹介します。<肉体的な疲れ>1.体の発達が未熟発達障害のお子さんは、健常児と比べると体の発達が遅れていたり、未熟であったりする事があります。特に筋肉の発達の遅れは比較的多く、筋力が少ないことから疲れやすくなることが有ります。また体幹機能が弱いことで、上手に姿勢が保持できなかったり、必要のない筋肉に力が入ってしまうことで身体が疲労してしまうことが有ります。こういった場合には、体をさすってあげたり、軽い力でトントンとたたいてあげる等の簡単なマッサージで筋肉の緊張をほぐしてあげると、リラックスできるようです。2.体を上手に動かせない発達障害の特徴に複数の動作を行うことが出来ないというものがあり、代表的な障害として『発達性運動協調障害』があります。これは身体の複数の場所を同時に動かすのが難しく複雑な動きが出来ないばかりか、歩行やバランスを取って姿勢を保持することも困難な場合が有ります。その為、何かの動作を行うのにも時間がかかったりしてしまい、身体的に非常に疲れてしまうことが有ります。3.睡眠障害がある発達障害の二次障害として睡眠障害は非常に多く見られます。それぞれの特性によって、寝付けなかったり、睡眠と覚醒の切替がうまくいかなかったりするのです。その為にしっかりとまとまった睡眠がとれず、体力の回復が遅れ、疲れが溜まっている事もあります。あまりにひどい場合は専門機関へご相談されることをお勧めします。<その他の理由>「精神的な疲れ」と「肉体的な疲れ」以外の理由として、疲れの認識が不完全というものがあります。疲れの認識が不完全とは、身体の痛みを体の疲れと感じてしまったり、不安や嫌悪感などを疲れと認識してしまうということです。発達障害の方は、感覚が過敏で有ると同時に感覚が不完全である場合もあります。そのために感じ取った事を別の感覚として認識してしまい、体や心の不快感を疲れと感じ取ってしまうこともあるのです。発達障害の方は、その特性により疲れを感じやすい傾向にあります。特に新学期など、周りの環境が大きく変化する時期には、不安や、新しい刺激からいつもよりも疲れてしまう方も少なくありません。お子様に疲れの色が見えたときは、早めに休息をとらせるようにしましょう。

視空間認知を鍛える

以前説明をした視空間認知ですが、訓練を行うことで改善することが可能です。今回は視空間認知も含めた「見る力」を鍛える方法(ビジョントレーニング)のご紹介をします。①お子様の視力を確認する訓練を行う前にまずお子様の目に異常がないか視力は適正であるか確認しましょう。視力に問題があるのに放置をしておくとトレーニングを行っても適切な効果が出ないことがあります。気がかりな場合には一度眼科で検査をしてもらってください。②専門家による検査を受ける視力に問題がない場合視空間認知を含めた見る力に課題があると考えられるため、専門家による検査を受けます。発達臨床心理士、発達支援員などの発達に関する専門家により行われる場合は他の発達で課題となる領域と合わせて検査が行われます。 また視覚訓練士といわれるプロが行う場合もあり、こちらはスポーツ選手や大人に行われることが多いです。③検査結果を基にトレーニング内容の決定と訓練検査結果によりお子様の視力、眼球運動、視空間認知、目と体のチームワークのうちどこに課題があるかを把握することで、課題に合わせてオリジナルのトレーニングが提供されます。このオリジナルメニューを練習することで訓練を行います。またお子様の発達と関わりがある場合、作業療法が提供される場合があります。こちらは「見る力」の向上のみに特化しているビジョントレーニングに対して、作業療法は身辺の自立や学習・社会参加のために必要な能力全般を向上させるためのトレーニングです。視覚機能のほかには、手先の器用さを養う微細運動や大きく体を動かす粗大運動、身辺自立など、基本的な運動能力から集団の中で生活する力まで、幅広い能力を養います。お子様の見る能力に不安を抱えていらっしゃる方は一度専門家に相談を行ってみるのも良い手かもしれません。今回は専門家に相談する場合をご紹介しましたが、このビジョントレーニングはご家庭でも行うことが可能です。そちらは別の機会にご紹介したいと思います。

発達障害による疲れとその対処法①精神的な面

ADHD、自閉症スペクトラムなどの発達障害の人のなかにはとても疲れを感じやすい方がいらっしゃいます。その疲れは大きく分けて、「精神的な疲れ」と「肉体的な疲れ」の2種類に分類されます。それぞれの疲れが起こる理由と簡単な対処法をご紹介します。<精神的な疲れ>1.感覚が過敏自閉症などの人は様々な感覚に過敏であるという特徴が有ります。過敏な感覚は人によって違いますが、多くの場合「音」「光」「熱い・冷たい」「臭い」「視覚」「触覚」といった刺激に対する感覚過敏が見られます。感覚が過敏で有ることで周囲の人の話し声や物音、喧騒やBGMなどの音、場所の明るさや臭い、目に入る人や物などが気になり、意識し過ぎたり、それをやり過ごす事でストレスが溜まり疲れてしまうことが有ります。感覚が過敏であると、普通に生活をしているだけでも健常者の何倍もの刺激を受け、疲れが溜まってしまうのです。この場合には、過敏になっている刺激を減らしてあげると、少し楽になります。例えば、音ならばヘッドホン、光ならばサングラス、というように、気になる刺激を少しでも減らす工夫をしてみましょう。2.他のことを気にしてしまう上記の感覚過敏と似ているのですが、本来行っている事とは別に、目や耳に入った情報を気にしたり、意識しすぎることで疲れてしまうことがあります。また、複数の情報が同時に入ると混乱してしまい、より大きな疲れを感じてしまうこともあります。こういった場合には、物事を行う時は静かな場所で行ったり、周囲に物などをなるべく置かず、本人に入る情報を少なくすることが効果的です。3.終わりや止めるタイミングがわからない発達障害の場合、時間的な面で物事の終わりや止めるタイミングがわからないという事が有ります。終わりがわからない場合には「いつまで行えばよいのか」とストレスになりますし、止めるタイミングがわからない場合には、自分が疲れてしまっても止めたり休憩したりすることが出来ず、疲労が積み重なってしまいます。こういった場合には、予め「何時まで行う」などスケジュールを決めたり、「何個やったら終わり」などと事前に予定を教えてあげることで、対応しやすくなります。4.過度に集中してしまう自閉症や発達障害の特徴に「物事へのこだわり」がありますが、特に興味のある分野などに対しては非常に集中してしまう『過集中』となる事があります。集中している間は疲労を感じませんが、身体にかなり力が入ってしまっていることもあり、集中が途切れたとたんに強い疲労感を覚えることがあります。また、過集中は物事を行っている場合だけでなく、考えたり何かを眺めたりする場合にも起こり得ます。その為、周囲からは「何もしていないのに疲れている」と思われてしまう事もあります。過集中への対策は普段から習慣づけておく必要があります。まず、何か好きなことをする前に、「タイマーが鳴ったら必ず終わりにする」と、固く約束します。そして集中する時間を決め、タイマーをかけます。タイマーが鳴ったら予告通り集中時間を終了させてください。これを繰り返すことで、タイマーが鳴ると条件反射的に集中を辞めることができるようになります。5.人とのやり取りに気を使う発達障害の代表的な特徴に「他人とのコミュニケーションが苦手」と言うものがあります。コミュニケーションが苦手だと、『相手との距離感』『場の空気』『会話』『仕草』などを人と関わるたびに1つ1つ考えて行動を行います。そのために、人や社会と関わるだけでも非常にストレスを感じたり、精神的に疲れてしまったりするのです。こういった時には、個室などへ移動し、リラックスする時間をとらせてあげてください。6.複数のことを同時に行えない発達障害では複数の事を同時に行うということが非常に困難な場合があります。例えば「話を聞きながらメモを取る」「黒板を見ながらノートをとる」などです。健常者では普通に出来ることでも発達障害の場合には非常に難しく、一見普通に出来ているようでも、体力や気力をかなり消耗し、疲れに繋がってしまいます。こういった方には、それぞれの作業を分けて行えるようにしてあげるとよいでしょう。また、話の内容が書かれているプリントなどを用意し、大切な所にラインをひかせるなど、同時に行う作業を簡単なものにしてあげるのもよいでしょう。

視空間認知と発達障害

「視空間認知」という言葉をご存知でしょうか。人間の見るという動作は1.「眼球運動」…動いている物体を目で追う、ピントを合わせる2.「視空間認知」…目で見た情報を脳で処理する3.「目と体の連動」…目で見たものに合わせて体を動かすの三つに分けられており視空間認知は脳で処理を行う為、脳機能の偏りがある発達障害が視空間認知能力が低い背景にある場合がございます。そこで今回は視空間認知の説明を行い、別記事で視空間認知の訓練をご紹介したいと思います。視空間認知とは目から入った視覚の情報を処理し空間の全体的なイメージをつかむための機能です。物との距離感や奥行き、文字や形を把握するときに使われます。目でとらえた映像は、そのままだと「点」「線」「色」などの単なる情報にすぎません。しかし私たちは「3本の縦線」を見ると漢字の「川」であることがわかりますし、平面である地図の情報を見て自分の現在地がどこかを把握し実際に目的地までたどり着くことができます。これらはすべて視空間認知の機能のおかげです。「ただ単にものを見る」ための視覚のシステムは生まれたときにはほぼできあがっていますが視空間認知は発達とともに身についていくものです。この機能を身につけていくためには実際にものを見たり触ったり、興味のあるものを目でとらえて手を伸ばしたりと空間の中で目や体を使う経験が必要です。ただし視空間認知が弱いと・探している本を本棚から見つけることができない・ぬり絵をするとき枠からはみ出たりすきまだらけになる・教科書の中から特定の単語を探し出すことができない・図形の問題が苦手・ダンスを見て覚えたりまねしたりするのが苦手といった症状が出てきます。視力の問題はともかくこのような「見えにくさ」の問題は、子どもが自ら気づくことは少なく周りもなかなか気がつかないことが多いです。気づいた時にどういった対処が出来るかについては別の機会にご紹介したいと思います。

タイムアウトとタイムイン

発達障害のお子さんの問題行動に有効な方法としてタイムアウトとタイムインがあります。今回はタイムアウトとタイムインのやり方をご説明します。◎タイムアウト・タイムアウトはお子さんを隔離しクールダウンさせ反省を促すことです。小学校のときクラスの問題行動に対し先生が教室から出ていき、反省を促すといった経験をしたことがある人もいるかもしれません。これがタイムアウトです。・タイムアウト中終始親は落ち着いていることが大切です。問題行動をやめない場合家庭であればどこか決められた椅子など指定の場所に子どもを1人にします。ただし狭いところや暗いところに閉じ込めることはせず親の目が届く場所にしましょう。そしてなぜタイムアウトを行うのか何を考えてほしいのかをきちんと伝えます。・タイムアウトの時間の目安は“年齢×1分”です。5歳なら5分というわけです。泣き叫んでいて冷静ではない時間はカウントしません。・タイムアウトが終わったらお説教はせずに「タイムアウト」は終わりとだけ言い後は水に流しましょう。1人の時間でお子さんはしっかり反省しているのでそれだけで充分です。◎タイムイン・この方法では子どもを落ち着かせるためにまずは親が近くで静かに寄り添いながら子どもの言い分を聞きます。ここではどんな言い分も否定せず受け止めるようにしましょう。・ある程度子どもが冷静になったら今後はどうしたらいいか親子で話し合うようにするのです。すぐに正しい行動をさせようとせず冷静になる時間を設けるという意味ではタイムアウトと同じです。・タイムインにおいては“親子で話し合う”ということが重要視されていますが親が完全に主導権を握ってしまってはあまり“話し合い”の意味がありません。ぜひ子ども自身に考えさせてあげましょう。近年は「頭ごなしに叱ってはいけない」ということを意識している家庭も増えているのではないでしょうか。親があれもダメこれもダメと禁止事項ばかり増やしていると子どもがやる気を失ってしまうとも言われています。またひとつの答えを与えるのではなく日常生活の中で複数の選択肢を与えて子ども自身が今後どうすべきか道を一緒に選ぶことが重要です。

独り言への対応

独り言は周囲の人から見ると、意味が分からないしウルサイだけと感じるかも知れません。ですが、本人の中では意味がある行動であり、これを無理に止められたりするとストレスが溜まったり、別の問題行動やこだわりに発展する可能性もあります。しかし、街中やお店など人の多い場所で意味の分からない独り言を言われたり、大きな声を出されたりすると周囲の人から好奇の目で見られたり、マナー違反になってしまうこともあります。そこで、今回は一時的に独り言を辞めさせる方法をご紹介します。◎独り言を辞めさせる方法①独り言を言っていい場所と駄目な場所を理解させる公共の場では独り言は控える、自分の部屋では独り言を言っても良い、などのルールを作ると効果的です。最初は場所をわきまえるということは難しいですが、何度も指摘するうちに出来るようになる事もあります。公共の場などで周りの人の様子を見たり、その場に合った行動を取るというのは自閉症や発達障害者が苦手な事の一つです。そのため注意する場合には具体的に「皆がいる場所だから静かにしよう」、「大きな声を出すと周りの人がうるさく感じるよ」など声をかけてあげると状況を理解しやすくなります。②声を小さくさせる独り言の声が大きい場合には声を小さくするように促す事も必要です。声が大きいときにはその都度「声が大きいよ」と声かけをしたり、「シー」「お口チャック」などのジェスチャーや、声を小さくの合図を出して教えてあげる必要があります。また、テレビのリモコンのように「ボリューム1だよ」などの声かけも、音の大きさという意味で理解しやすい場合もあります。大きい声を小さい声にさせるのも直ぐには治りませんが、何度も指導することで徐々に声のトーンを調整できるようになります。③静かにする時間を決める時計や時間の概念をある程度理解できる子供の場合は、時計やタイマーなどを利用し決まった時間の間は静かにするという練習方法も有ります。最初は短い時間から行い、決まった時間静かにする事ができたらなんらかのご褒美などをあげ、徐々に我慢する時間を長くしていきます。独り言にも様々な意味があり、頭の中の考えをまとめて整理をしたり、気持ちを落ち着かせるなど、生活するうえで必要な行動の一つになっている場合が有ります。無理に止めさせるとストレスを溜め込んで他の問題行動が出る事もあるので様子を見ながら徐々に指導を行っていく必要があります。

独り言の意味

発達障害の方の中には、独り言を多く言ってしまう方もいらっしゃいます。自閉症などの発達障害に多くみられる独り言ですが、それらには様々な意味が有ると考えられています。独り言を言ってしまう代表的な理由をまとめてみました。◎独り言を言ってしまう主な理由①頭の中で考えていることを口にしてしまう普通の人は物事を考えるときは頭の中だけで考えます。しかし、自閉症や発達障害の人の場合、考えていることがそのまま口に出てしまうことが有ります。この場合の独り言は比較的言葉も意味もハッキリしているので、周りで聞いていれば何を言っているのか理解する事も出来ます。②自分の意思とは別に声が出てしまう本人の意思とは別に考えていたことが独り言として口に出てしまう事も有ります。この場合の言葉はその場面に合わないような突拍子もない言葉や、聞き取れない奇声的な事も多いです。③自分の世界のことを話している自分の好きなことや、自分の世界で考えていることを独り言で話している事もあるようです。④気持ちの整理をしている良い事があって嬉しいときや、気分が落ち込んでしまったときなどに思っていることを言葉に出して気持ちを整理している場合もあります。嬉しいときは嬉しかった事を話したり、テンションが上がって意味の分からない言葉だったり、奇声に近いような言葉を出す事も有ります。気分が落ち込んでしまったときには「怒られた・・・」、「もうだめだ・・・」、「何々を壊しちゃった・・・」などネガティブな言葉を話し、気持ちを落ち着かせようとする事もあります。⑤オウム返しこれは「ご飯食べる?」と聞かれると即座に「ご飯食べる?」と返してしまうものと、以前聞いた言葉などを暫くしてから話すという2種類のものがあります。このうち以前に聞いたアニメの台詞や、テレビのコマーシャル、家族の会話などを時間が立った後に話すことがあり、これが独り言と思われてしまう事もあります。アニメなどが好きな子供の場合、アニメの台詞を全部覚えて話している事もあります。⑥同じ言葉を繰り返してしまう自閉症の人は同じ言葉を何度も繰り返してしまうという特徴があります。これは「その言葉が心地よく感じる」「言葉に思い入れがある」「無意識に出てしまう」「言葉で人の反応を楽しみたい」などの理由からです。◎独り言のメリット一見意味の無いような独り言で、出来れば止めさせたいと考えている保護者も多いようですが、独り言にもにもいくつかもメリットがあります。①言葉の発達独り言を話す発達障害の子供は、独り言を話さない子供より言葉の発達が良好の場合が多く見られます。独り言を話しているだけでも、呼吸や口や喉や使い方の練習になったり、単語や言葉での発語の練習にも繋がります。②物事の整理や確認上部に記した通り、独り言をいいながら物事の整理や確認をしている事も有ります。自閉症のお子さんだと、その日のスケジュールを確認するかの様に何度もその日の流れを話したり、その日の給食やテレビ番組など自分の好きなことを何度も独り言で言う事もあります。

療育手帳と精神障害者保健福祉手帳

現在発達障害のある方が取得できる可能性のある障害者手帳は療育手帳または精神障害者保健福祉手帳の2種類です。多くの場合はどちらか1種類ですが2種類お持ちの方もいらっしゃいます。障害者手帳を取得すると様々なメリットがある一方でご本人や周囲の捉え方によってはデメリットが生じる可能性があることも事実です。ですので今回はそれぞれの手帳対象者とサービス、保有のメリット・デメリットをまとめたいと思います。☆対象者 〇療育手帳IQ値が70~75以下の方。知的機能の障害が発達期にあらわれ日常生活に支障が生じているため、何らかの特別な援助を必要とする状態にある方。※一部自治体では、境界知能域(知能指数91以下)でも、自閉症の診断を受けると療育手帳(B2)が交付される。 〇精神障害者保健福祉手帳精神障害や発達障害があるために日常生活・社会生活への制約がある人☆申請方法 〇療育手帳1.本人(保護者)が、自治体の福祉事務所または障害福祉担当窓口へ申請する。2.児童相談所(18歳以上の場合は知的障害者更生相談所)で心理判定員・医師による判定を受ける。 〇精神障害者保健福祉手帳1.本人(保護者)が、福祉事務所または障害福祉担当窓口で申請書を受け取る2.医師の診断を受け、診断書をもらう3.申請書・診断書・写真を担当窓口に提出する☆再判定 〇療育手帳・・・原則2年毎の更新だが、実情は自治体によって大きく異なる。以下は東京都の場合。・18歳未満 3歳・6歳・12歳に再度判定・18歳に達した場合 18歳で更新判定 〇精神障害者保健福祉手帳・・・原則として2年ごと☆区分・等級 〇療育手帳・・・自治体によって異なる例1)2区分<A>IQが概ね35以下の人。又はIQが概ね50以下で、肢体不自由などの身体障害を重複する人。<B>IQが概ね35~50の人。例2)4区分<A1>最重度の知的障害(IQ19以下)<A2>重度の知的障害(IQ20~34)<B1>中度の知的障害(IQ35~49)<B2>軽度の知的障害 (IQ50~75)〇精神障害者保健福祉手帳・・・1~3級までの等級がある<1級> 自立しての生活が困難な方。他の人の手を借りながらでなければ日常生活が送れない方。<2級>  常に人の手を借りなければならないほどではないが日常生活が困難な状態の方。<3級>  障害は軽度だが日常生活や社会生活で何らかの制限を受けている方。☆サービス療育手帳と精神障害者保健福祉手帳は共に税金の優遇措置。医療費の助成。公共料金や電話料金などの割引。公共交通機関、公共施設や映画館などの無料化若しくは割引。生活保護の障害者加算があります。基本的に精神障害者保健福祉手帳より療育手帳の方が手厚いサービスが受け取れます。(サービスの内容は障害区分・自治体によって異なる部分があります)。☆メリット 〇療育手帳・・・特別支援学校高等部に進む場合は療育手帳の取得が条件になっている場合がある。大人になった後、障害者雇用枠での就職もできる。(一般枠でも可)。上記、行政サービスや優遇を受けられる。 〇精神障害者保健福祉手帳・・・大人になった後障害者雇用枠での就職もできる。(一般枠でも可)上記、行政サービスや優遇を受けられる。☆デメリット 療育手帳と精神障害者保健福祉手帳共に家族を含め周囲からの理解が得られない場合がある。「障害者」と認定されることへの抵抗感から、ご本人の心的ストレスが増える可能性がある。障害者雇用の場合、昇進や待遇面で一般のルートから外れる可能性がある。