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発達障害(LD/ADHD/ASD)・グレーゾーン専門の個別指導塾・家庭教師

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片づける動作の練習について(1)

片づける、整理整頓をするという動作はお子様は苦手です。そして発達障害のお子様は通常のお子様以上に苦手なことが多いです。これは片づける動作に記憶力、判断力、沢山のものを扱うために同時に物事を取り扱う力などが関わるため、これらの力が苦手な発達障害のお子様は非常に躓きやすくなります。そこで今回は片づける、整理整頓という動作を整理してお子様が片づける動作のトレーニングの進め方を教えたいと思います。①まずは仕舞う動作のみを行ってもらう物を片づける場合、(1)片づける物を仕分ける(2)物を入れるスペースを決める(3)スペースに仕舞うの3つの動作に大きく分かれます。特に(1)(2)がお子様にとって難しい動作となります。お子様がいきなり出来ることはありませんので、最初はご両親が物の仕分けとスペースを決めてあげましょう。②まずは親が動作を例示した後でお子様一人で練習するスペースに仕舞う動作もまずはお子様と一緒にやることから始めていきましょう。一緒に行うことでお子様に仕舞う動作を例示して、お子様に真似をしてもらいましょう。お子様が仕舞う動作に慣れた後に今度はお子様一人で仕舞うように練習しましょう。この際、お子様の混乱を避けるため仕舞うもの、そして収納場所にシールやマーク等の目印を付けてあげましょう。収納場所と物の両方に共通の目印をつけると効果的です。③お子様をしっかり褒めてモチベーションを保つトレーニング時に大切なのがご両親とお子様が一緒に楽しく片づけをする事です。片づけをする事は苦痛ではなく楽しい事なんだと、お子様に思ってもらう事が重要です。また一人で片づけができたらしっかり褒めてあげ、そして親子で一緒に喜びましょう。お子様が片づけをしなかった時はご両親は叱りたくなる気持ちは非常に分かりますが、叱るだけでなく少しでも以前から進歩した所を見つけてあげてモチベーションを保ってあげましょう。お子様が非常に苦労する(1)片づける物を仕分ける(2)物を入れるスペースを決めるのトレーニングについては別の記事にてご紹介させて頂きます。

言葉のつまずきへの対応

以前口頭言語(聞く話す)のつまずきへの対応をご説明させて頂きましたので、今回は言葉のつまずきへの対応をご説明したいと思います。口頭言語のつまずきの記事(https://www.dd-anchoco.net/posts/5073442)でもお話ししましたが、言葉のつまずきでも同じく①答えを急かさない②答えないことを叱らないことが大事になります。この2点を意識した上でトレーニングを進めていきましょう。(1)分からない言葉を質問する癖を付ける受け答えをするためには、会話中に出た言葉の意味がおおよそ分かることが必須となります。ですのでまずはお子様が分からない言葉を質問する癖を付けることから始めましょう。分からない言葉の質問と答えを言うことも受け答えの練習になります。また質問するタイミングも同時に練習させましょう。お子様には「会話が切れた時に質問しましょう」と伝え、なるべくご両親は短文で区切りの多い形で話を進めてあげましょう。(2)電子辞書やスマホを活用するご両親がお子様に言葉の説明をし続けることは非常に苦労する作業になります。そこで言葉の説明を補助するものとして電子辞書の活用が考えらます。紙の辞書に比べ電子辞書は検索に時間がかかりませんし、一部の電子辞書では説明文で分からない単語をペンを使って意味をさらに検索する機能がありますので、言葉の意味を非常に調べやすくなっています。電子辞書の購入が難しい場合はスマホで代用して頂いても構いません。また電子辞書やスマホを用いて、会話に出てきた言葉の漢字を簡単に表示してあげることも大事になります。言葉のつまずきがある場合、同音異義語の区別が難しい場合が多いです。「冷凍チャーハンを「かいとう」してくれる?」聞いたときにを「解答」と勘違いして混乱するケース等もあります。ですので漢字を表示してあげて混乱を取り除いてあげることも大事なことになります。(3)指示語をなるべく使わない言葉のつまずきのあるお子様は指示語が指しているものを理解することを苦手とされている場合が多いです。ですのでお子様との会話でなるべく「これ、それ、あれ、どれ」等の指示語を使わないようにしましょう。またお子様が正確な言葉を思い出せずこそあど言葉を使う時があります。その時は「あれって何のこと?」とお子様に聞いて具体的な言葉に直す練習をしてもらいましょう。

口頭言語のつまずきへの対応

以前口頭言語(聞く話す)のつまずきについて説明させて頂きましたが、実際のお子様のお話しの受け答えには主に口頭言語のつまずきと語彙が少ない等の言葉そのもののつまずきが大きく関係します。両者が関係しているお子様もいらっしゃいますが、今回は①口頭言語(聞く話す)のつまずきへのペアレントトレーニング②言葉そのもののつまずきへのペアレントトレーニングに分けて対応例を説明していきたいと思います。まずは口頭言語のつまずきについてです。言葉の理解力と聞く話すの苦手を理解する何より重要なことはお子様への理解です。言語と聞く話すのどちらにつまずいているのかを確認しましょう。また聞く話すについては聞けないのか?話せないのか?それとも聞く話すの両方できないのか?どの状態であるかも把握しましょう。その原因に沿ってトレーニングを進めましょう。またトレーニングを進める際に気を付けて頂きたい点が2点あります。それは答えを急かさない点と答えられないことを叱らない点です。苦手なお子様は急かしても、答えられるようにはなりません。急かすのではなく、答えられるように上手く誘導してあげましょう。学校では授業の関係で急かされる場合がありますので、ご家庭では尚更急かさずに答えを出すまで待ってあげましょう。また答えられない事を叱ったり、罰を与える等の行為も厳禁です。お子様はわざと答えないのではなく、頑張っても答えられず本人が一番苦しんでいるのです。苦しんでいる時に叱ったり罰を与えてしまうと余計に苦手意識が強くなり、聞く話すことを更に避けて練習が出来なくなってしまいます。(1)ホワイトボードやノート等の書くものを活用する言語力のあるお子様の場合、聞く話すが出来なくても読み書きは出来ます。そのため口頭の指示を書き出してお子様が「聞く」動作を「読む」動作に置き換えることで指示への理解力が跳ね上がります。またお子様が話す内容を書き出すことで「話す」動作を「書く」動作に置き換えて伝えることが出来ます。お子様が話したい内容を文章を書き切れない場合もよくあるかと思います。その際は絵や図を書いてもらう、場合によってはご両親側が絵や図を書いて、その図を基に話してもらうと良いでしょう。そして書き出したものを親も子も読み上げて音にすることで、聞く話すの練習を行うことが出来ます。このやり方の場合、お互いのやり取りに非常に時間がかかります。さらに聞く話すが苦手なお子様は文章でのやり取りに慣れてしまうと、文章だけでのやり取りに逃げることがよく発生します。ですので練習の時間を区切る、聞く話すが上手く出来たらしっかり褒めたりすることでお子様の苦手意識に付き合っていきましょう。(2)家庭の日常会話で質問を練習する家族間での日常会話の中で、お子様に質問をして聞かれたことに答える練習をしましょう。例えばテレビ番組の内容、学校のこと、明日の予定について質問する。大事なことはお子様が簡単に答えやすい形で質問をすることです。はい、いいえで答えられる、もしくは選択肢のある質問形式が答えやすいので、この形式から始めて聞かれたことに答える受け答えを繰り返し練習しましょう。質問に答えられるようになったら徐々に選択肢のない質問をして成長を促しましょう。

口頭言語のつまずきについて

学習障害(LD)のお子様の場合、読み書きや算数でなく口頭言語でつまずくことがあります。口頭言語というのは聞くや話すことを指しており、・どのように話してよいかわからない・聞いたことの理解が難しい・上手に発音(構音)が出来ないなどの特徴が表れます。特に口頭言語のつまずきは小学校低学年時にお困りとして出てくることが多いです。原因が発音(構音)などにある場合は、指導プログラムや教育体制が整っているために指導や教育を受けることで改善がスムーズに進む場合が多いです。しかしどのように話してよいか分からない、聞いたことの理解が難しい場合だと、成長するにつれて別の問題が発生することがあります。それは社会性のつまずきです。お子様の社会性のつまずきは主に学校生活において、上手に友達が作れない、集団行動についていけない等の不適応のことを指します。学校生活では成長するにつれて授業時間が増え、部活動等の様々な活動が発生します。授業や活動が増えるに従って言語でのやり取りが飛躍的に増大します。また友人関係においても言語でのやり取りが増加し、友人関係の成立・維持にきわめて重要な役割を果たすようになります。成長と共に言語性のコミュニケーションが飛躍的に増えるために、言語のつまずきがお子様の社会性に大きく影響するのです。このような状態だと、言語のつまずきでなく社会性のつまずきが目立ってしまい社会性のつまずきのみに視点が行ってしまい元々の原因である言語のつまずきが考えられなくなってしまうケースが発生します。現在、社会性のつまずきをお子さまが抱えているが、幼いころ言語のつまずきを抱えていたのなら、言葉の教室に通うなどして、言語能力をトレーニングしてみるのも良いかと思います。 (参照:「軽度発達障害の教育」上野一彦、花熊暁【編】)  

算数障害とその対応

算数障害もLD(学習障害)の一つであり、・数を覚えるのに時間がかかる・数の大小の概念を理解が難しい・繰り上がり繰り下がりの筆算が難しい ・九九が覚えられない、九九を暗記しても計算に応用できない。等の傾向がよく見られます。算数障害も他の学習障害と同じくいくつかの原因が重なっていることが多いです。ただし主な原因としては数の概念が理解できない、読字もしくは書字障害が影響することが挙げられます。そのため今回は数の概念の理解が難しい場合、読字もしくは書字障害が影響している場合に分けて対応を挙げていきたいと思います。①数の概念の理解が難しい場合■視覚や触覚等を使って数を認識させる算数障害の子は「数」という概念を頭の中で理解することに困難を示す子が多いです。そのためおはじきなどを手を使って実際に数えて計算を行ったり、文章問題を絵や図に書き換えて視覚的に理解を促すことが考えられます。頭の中で想像しにくい数の計算を見て触りながら計算することで、定着を高めることが出来ます。また概念の理解が難しいお子様は四則計算の記号の意味や「~より多い(少ない)」「全部で」「残り」「あわせて」など算数の問題文によく出てくる言葉も理解が難しいです。そのため記号の意味や言葉の意味を教える際も、物を使ったり絵や図を駆使して理解度を高めることも重要です。■位ごとに色を変える算数障害の子は、桁の概念がしっかり身についていないために2桁以上の計算時に無意識に頭の中で位を入れ替えてしまうことがあります。そのため位をまたぐ計算時は位ごとに色を変えることによって計算の混乱を防げます。一の位は黒で書く、十の位は赤で書く…のようにルールを決めて計算に取り組むと、「黒は黒と足す」、「赤は赤と足す」という認識が生まれて計算がしやすくなります。■計算の遅さを補うために電卓を利用する簡単な計算が理解できるようになっても、学年が進むたびに授業についてくことが困難となってしまいます。ある程度算数の概念が理解できるようになったら、電卓を利用することも検討しましょう。ただし全ての計算を電卓でやってしまうと自分の頭で計算せずに計算の仕方も忘れてしまうこともあるため、一部の問題は自力で解いて電卓の利用はあくまでも計算の遅さを補う形にしましょう。②読字もしくは書字障害が影響している場合■桁に線を引いたり、マス目のあるノートを使用する 読字もしくは書字障害が影響している場合は、特に二桁以上の問題で桁の読みや書きがずれることで問題が発生しやすくなります。そのため桁の読み書きをサポートするために、教科書や問題の数に桁を区切る線を入れたりマス目のあるノートを使用することが挙げられます。書きが苦手な場合は問題を写したり、計算したりするときに必ずノートを使うようにして、マス目のどの位置に繰り上がりや繰り下がりの数を書くか場所を決めておくと更に良いでしょう。また読みが苦手な場合は文章題を読みあげてから問題を解かせてあげましょう。■記号や符号に色や太文字で強調してあげる文字の認識能力が低いお子様の場合、四則計算の記号や()、±の符号等を見逃して間違えてしまうことが良くあります。ですので記号や符号に色や太文字で強調してあげることで見逃しによる間違いを減らすことが可能です。 テスト時には色や太文字にしてあげることが出来ませんが、計算をする前に符号に印をつける癖をつけることで間違いを減らすことも出来ます。

文字が汚くなる主な原因と対応

発達障害のお子様の場合、極端に字がきたない子がいます。書字障害の記事(http://www.dd-anchoco.net/posts/4942073)にて字を書く際には、文字の形や書き順を思い出し、書く位置を確認する。鉛筆を手で動かす、書いている途中の文字を見ながら次に書く位置を決める、文章全体のバランスを考えて書くという様々な動作がある事を紹介しました。字が極端に汚いお子様もこれらの動作のいずれかが苦手な場合が多いです。そこで今回は字が汚くなる原因とその対応について紹介します。まず文字が汚くなる原因ですが、鉛筆を上手く使う事が苦手、字の大きさがバラバラでマス目からはみ出してしまうことが主な原因です。鉛筆を上手く使えない理由は手先を上手く使えない、目と手の連動(協応)が苦手であることが多いです。字の大きさがバラバラ、マス目からはみ出してしまう理由としては、書きやすさを優先して文字のバランスを考えない、解答スペースに合った文字の大きさを想定できない等があります。これらの理由に合わせた対応が必要となります。〇ゆっくり丁寧に字を書く手先が不器用であったり、目と手の連動(協応)が苦手なお子様の場合ゆっくり丁寧に字を書かせましょう。この様なお子様の場合字を書く事が苦手だから、早く書いて終わらせようと思ってしまいます。そうすると自分の書いた字が読めず、更に字を書くことが嫌いにもなりかねません。そのためにはお子様が丁寧に字を書くことを意識することが大切になってきます。ゆっくり丁寧に書いて、自分の書いた字が読めるという経験を積ませていきましょう。〇マス目で練習する字の練習をする時は、マス目の補助線付きのノートで練習させましょう。手先が不器用であったり、目と手の連動(協応)が苦手なお子様の場合は練習では必ず大きなマス目を使って練習を行います。また一文字をバランスよく字を書く練習には、補助線入りのマス目を使いましょう。漢字の偏や冠などの部分のバランスがとりやすくなります。書きやすさを優先して文字のバランスを考えない、解答スペースに合った文字の大きさを想定できないお子様の場合、解答欄にマス目がない問題で躓きます。そのためまずはマス目があるノートに解答を書くことから始めましょう。次に解答をマス目の無い解答欄に書き写す練習を行いましょう。解答スペースに合った文字の大きさを想定できない場合は、解答欄に線を引いて区分けを行うことで想定しやすく出来ます。また練習を行う場合に急がせることだけは絶対に止めましょう。字が上手く書けない子に、急がせて書かせると更に字がきたなくなるため悪循環に陥ります。急かすのではなく、ゆっくり丁寧に書かせるようにしましょう。時間が限られている試験のこと等を考えると早く書けるようになることが理想的ですが、まずは「読める文字」を書くことを目標にしていきましょう。

書字障害と基本的な対応

書字障害ですが、主な現れ方として・漢字を書く際に、鏡文字を書くことが多い。・文字を書く際に、余分に線や点を書いてしまうことが多い。・年相応の漢字を書くことができないことが多い。・間違った助詞を使ってしまうことが多い。・文字の大きさや形がバラバラ・マス目からはみ出る。などの傾向が見られます。これらの主な原因としましては、文字(記号)の認識が苦手、音と文字が繋がりにくい、目と手の協応が苦手なことが挙げられます。字を書くという作業は細かく分けると、文字の形や書き順を思い出す、書く位置を確認する、鉛筆を手で動かす、書いている途中の文字を見ながら次に書く位置を決める、文章全体のバランスを考える等の複雑な動作を数多く行います。これらの動作の中で苦手な動作があると上手く書けなくなります。また文字(記号)の認識が苦手であったり音と文字が繋がりにくいお子様の場合、書きだけでなく読みも苦手な場合があるため以前説明した読字障害と併せた対応が必要になる場合があります。今回は書字障害に絞った基本的な対応を示していきます。■漢字を分解して、漢字のへんやつくりから理解する文字(記号)の認識が苦手な人は位置関係をつかむことが難しいです。そのため、漢字そのものを覚えさせるのではなく、「へん」や「つくり」に分けそれぞれの意味を教えてあげることにより、漢字を覚えやすくなります。またパーツを足し算をして漢字を作るゲーム、パーツで替え歌を作ったりお話しを作ったりして楽しみながら文字を学ぶ方法もあります。この方法は漢字に対しての苦手意識が薄れさせることが出来ます。そして漢字のパーツを覚えてもらった後でへんやつくりの意味を理解してもらいます。■視覚過敏を緩和する文字(記号)の認識が苦手な原因が視覚過敏である場合、紙の白さを過敏に目が感じ取って文字を認識しにくくなります。文字の黒さと紙の白さのコントラストが強い場合、長くノートに向き合えない場合があります。そのためコントラストが激しくない色の紙のノートを利用したり、色つき眼鏡を使ってみる、勉強机の光量を調節する等の視覚過敏を抑える対応が考えられます。■マス目やケイ線を用意する目と手の協応が苦手なお子様の場合、大きなマス目のノートを用意してあげたり、文字のバランスをつかむためにリーダー線が入った漢字練習帳を使用することをお勧めします。この際に大事なことはお子様の成長に合わせることです。学校では学年が進むにつれてマス目が小さくなりますが、目と手の協応が苦手で所謂不器用なお子様は小さなマス目に書くことが難しく結果として全く読めない字やバランスが崩れた字を書いてしまうことがあります。まずはバランス良く読める字を書くことが重要ですので、苦手なお子様は拡大コピーなどを用いることでお子様の現状に沿った大きさのマスで練習を進めましょう。■スマホやタブレットを使用する2016年4月からは障害者差別解消法によって学校で合理的配慮が実施されています。書字障害のお子様は書くことが大変なために通常のお子様以上に学年が上がるにつれて授業についていくことが難しくなります。そのためタブレットなどのICTを利用してノートを取ったり、キーボードを利用したり、黒板をカメラで撮ることで授業中に文字を書くことの負担を減らすことが有効です。現在学校内でのスマートフォンやタブレット利用が許可されるところが増えてきていますが、学校のお子様への理解と協力を得ることが必須です。

文章読解の基本的な対応について

先日読字障害について紹介させて頂きましたが、学習面では文章読解が苦手なことな原因として読字障害と文章読解そのものが苦手の二つがあります。そこで今回は読字障害と文章読解が苦手なことの違いを説明しながら、文章読解への対応をご紹介していきます。読字障害と文章読解が苦手なことの一番の違いは「文章を読み上げて理解できるか」になります。読字障害のみのお子様だと、文字の認識が苦手なため文章を話してあげると理解が進みます。逆に文章読解が苦手なお子様だと単純な読み上げでは理解が難しいです。これは文章読解に関わる脳機能である言語理解、推論やワーキングメモリが弱いことが考えられます。これらの機能が弱い場合・言葉や短文レベルでの意味理解が難しい・部分と部分の関係理解が難しい・推測が難しい・読んだことを記憶しながら読み進めるのが難しい等の傾向が現れます。そのためこれらの傾向に合わせた対応が必要となってきます。文章読解の対応ですが、文章読解が苦手なお子様の場合ほとんど文章を読むことを嫌がります。そのため教材選びから大切になります。教材選びはお子様のレベルに合わせたもの、お子さまの興味を引くもの、短文のもの等を使うことから始めます。またお子様本人の体験を文章化したものを、教材として利用するのも効果的です。これはお子様自身が体験しているために、文章理解が進みやすいからです。文章読解の際の注意点としては、読解と音読を一緒にしないことです。ワーキングメモリが弱いお子様の場合、音読に注意がいってしまい内容の意味理解が難しくなる場合があります。そのため音読を行わせる時間と読解(文章理解)の時間をしっかり分けて指導することが大切です。傾向ごとの指導のポイントとしては・言葉や短文レベルでの意味理解が難しい→わからない言葉を今までの知識と関連づけながら説明する・部分と部分の関係理解が難しい→選択肢を用意し、どれが主題かを選ばせる。・推測が難しい→登場人物の心情等を順序立てながら説明する ・読んだことを記憶しながら読み進めるのが難しい→段落の関係をフローチャートのような図で表す。段落ごとの内容をまとめて書いておく等が挙げられます。また文章全体の把握が苦手なお子様には文章の内容や題名を考えるといった指導もあります。この指導では正解を答えさせるのではなく、お子様が考えた内容や題名からお子様が見逃している文章要素を見つけ出してフォローすることが大事になります。

読字障害と基本的な対応

今回は学習障害(以下LD)の中にある読字障害とその基本的な対応についてご紹介します。まず読字障害ですが、主な現れ方として・漢字の音訓読みの使い分けが苦手・単語や文節をつかむのが苦手・一文字ずつ読んでしまい、まとまりのない読み方をする・文字や行を飛ばして読む・特殊音節(拗音・長音・促音)で表される文字の発音が難しい等が挙げられます。また読字障害のお子様の場合文章読解でもつまずくことが多いです。しかし文章読解は読字障害に加えて言語理解やワーキングメモリの低さが関係している場合もありますので、対応は文字認識の苦手(読字障害)と文章読解の苦手に分けて対策することが重要になってきます。そこで今回は読字障害に注目した基本的な対応を示したいと思います。■文字を見やすくしてあげる文字を大きく拡大してあげたり、黒板のチョークの色を白にしたりすることで、文字を読みやすくします。また蛍光ペンで重要と思われる部分にだけ色をつける、読む範囲以外の上下左右を隠したりして読む情報量を調整してあげることも大切です。お子様の苦手意識を極力刺激しないことに繋がります。スマートフォンやタブレットを使うと、文字を拡大できたり、音読機能があったりと便利です。■音にしてあげる読字障害のお子様は耳からの情報は理解できることが多いため、問題文などの文章を読み上げて聞かせると理解が進んで勉強が進むことがあります。教科書を見ながらその音声を聞くことにより、文字・音・意味が繋がる可能性があります。電子教科書の場合は音声での読み上げシステムが備えられているものもありますので、ぜひとも活用しましょう。■ふりがなやスラッシュを振ってあげる漢字の認識が苦手、音訓読みの区別が苦手な場合、ふりがなを振ると良いです。また文章のどこまでがひと固まりなのか理解できないことがあります。このような場合はまとまりごとに空白を開ける「分かち書き」をしたり「スラッシュ」(/)を引いたりして、どこが文章の区切りとなっているのか、明確に表してあげると文章を読みやすくなります。■色付きメガネを使う読字障害は場合によっては視覚過敏で背景が白がまぶしく感じて文字が認識しにくいこともあります。その場合青や緑などの色つきメガネなどをかけてまぶしさを軽減することで、視覚過敏を抑えて文字が読みやすくなります。

学習障害(LD)の基本的な対応

学習障害(以下LDとします)に対しては、何よりもまずお子様の学習上での能力の偏りを理解することが大切になります。お子様の能力の偏りを理解することでLDはものすごく対処しやすくなります。大事なことは「読みが苦手」というあいまいな形でなく、「何が主な原因で読みの特定部分が苦手」という具体的な形にすることです。読字障害、書字表出障害、算数障害などのタイプの中にも一人一人により細かな得意・不得意の個性が存在します。同じ書字表出障害のお子様でも文字自体は思い出せるが思い通り書き出すことが苦手だったり、書く出すことは出来るが文字自体を思い出すことがとても苦手など困りごとは人によって様々です。 またLDの子は知的発達に遅れがみられないため、周りには障害がはっきりと見えにくく「勉強ができない子」「不真面目だ」などと誤解されることが多いです。お子様自身、頑張りが学力に結びにくいために「頑張ってもどうせできない」「自分には能力がない」と自信がなくなり、勉強への意欲や自尊心が低下してしまうことがあります。学習面での失敗体験や自信のなさ、意欲の低下などから最終的に「二次障害」と呼ばれるLDとは異なる症状や状態を引き起こしてしまうこともあります。二次障害が発症するとさらに勉強が難しい状況になりますので、発症前に対応してあげることがとても重要になります。 そしてLDへの対応ですが、現在のところ手術や薬物などで医学的な方法による根本的な治療法はありません。LDへの対応は多くの場合、教育面・生活面での環境調整や療育といった支援で困難さを軽減することになります。以下に基本的な対応を示します。 ①専門機関による診断と学校における合理的配慮LDが疑われる場合には各市区町村の保健センター、子育て支援センター、児童発達支援事業所等の身近な相談できる専門機関に行き、LDの疑いがある場合には専門医を紹介されて医師による診断を受けることが出来ます。専門家の支援を受けることは、お子様にとって悪いことではありません。専門機関に相談して診断を受けるとより特別な配慮やサポートを受けることもできます。また診断を受けることで周りの人に理解を得られやすくなり、学校での合理的配慮など支援がスムーズに受けられる場合もあります。2016年4月からは障害者差別解消法によって合理的配慮が実施され、障害のあるお子様に対して学校などで配慮がなされるようになりました。LDはツールを使ったり環境調整を行うことで、その子の学習における困難さを軽減することができます。その子にあった対応が出来る様に、学校環境を整えていきましょう。 ②ご家庭での対応家庭での対応も重要となります。お子様への接し方は、お子様のやる気や達成感を養いうつ病や引きこもりなどのいわゆる二次障害を防ぐ上で大切な役割を担います。LDの発見が遅くなったり誤った障害の理解により「自分は何をやってもできない」とお子様が思い込んでしまうことが原因となり、勉強意欲の低下や不登校などの二次障害と総称される症状や状態を引き起こしてしまう可能性も少なくありません。やる気、達成感を育てることは学習障害のお子様にとって最良の対応法となります。適切なサポートを受けられないまま、生活する上で最も困難さを感じるているのは本人です。お子様の特性を理解して生活からなるべく困難なものをとり除いてあげましょう。

学習障害(LD)について

今回は学習障害(LD)についてお話ししたいと思います。学習障害(LD)は英語ではLearning Disabilityと呼ばれる発達障害の一部です。文部科学省の定義では、全般的な知的発達に遅れがないものの「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力のうちいずれかまたは複数のものの習得・使用に著しい困難を示す発達障害とされています。(参考http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/004/008/001.html)学習障害(以下LDとします)は通常「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」の一部の能力だけに偏って困難がある場合が多いです。そして困難の現れ方によって主に「読字障害(ディスレクシア)」「書字表出障害(ディスグラフィア)」「算数障害(ディスカリキュリア)」の3つに分類されます。 学習障害は他の発達障害と同じく脳機能の偏りが原因ではありますが、根本的な医学的な原因ははっきりとは解明されていません。現在は生まれつきある脳機能の偏りが後天的な環境と重なって相互に影響することで得意・不得意の偏りとなり、成長・発達過程の途上で学習障害の症状として現れるという説が近年有力です。以上からLDは他の発達障害と同じく親の子育てのしかたや子ども自身の努力不足といった後天的なものによるものではなく、先天性の障害だと言われています。また他の発達障害と異なり小学校に入学して本格的な勉強を開始してからLDに気づくことが多いことが特徴になります。多くのお子様は知的発達に遅れがみられないことから幼児期に周りの人たちが気づくことはあまり無く、読み書き計算が始まる小学生から徐々に傾向が判明することが大半です。お子様にLDの傾向が分かった場合、大切なことはお子様の特性を理解してサポートを考えることです。LDは先天的な要因もあるため、しつけや育て方が直接の原因ではありません。単純な努力での解決が難しいからこそ、 焦らずに本人のペースに合わせて学習を行い、よりきめ細かい教育や指導を行うことが大切になります。 LDだからといって決して悲観的にはならないで下さい。 LDを乗り越えた有名人もたくさんいます。代表的なところですと、俳優のトム・クルーズさんやウーピー・ゴールドバーグさんは本を読むのが苦手で幼少時代に苦労したと言われています。黒柳徹子さんも計算障害と読書障害であることを告白されています。お子様の将来を狭めないためにも、LDとしっかり向かい合ってサポートをしてあげましょう。 

発達障害のお子様が高専を選ぶメリットとデメリット

前回発達障害をお持ちのお子様の進路選択の一つとして高専と呼ばれる高等専門学校と高校専修学校を紹介させて頂きました。そこで今回は発達障害のお子様がこれらの学校に行く上でのメリット、デメリットをご紹介させて頂きたいと思います。メリット①お子様の好きな物(こだわり)を活かすことが出来る発達障害のお子様は好きな物に関しては普通のお子様以上に熱中する場合が多いです。この熱中するものと専門範囲が重なれば普通の高校の以上に専門的な勉強に熱中して、専門性を養うことが可能です。②お子様の好きな分野の職業に生かせる技術を学ぶことが出来るお子様が好きな物や分野への知識や技術はそのままだと実際の職業に活かしにくい場合があります。高等専門学校や高等専修学校で学ぶことで好きな物や分野の職業で活かせる知識と技術を習得できます。③就職で非常に有利(高等専門学校)高等専門学校の場合、5年一貫教育で鍛え上げられるため卒業生は産業界等から非常に人気があります。その為就職には非常に有利に働きます。デメリット①進路の変更が難しくなるどちらの学校も専門性を養うために通常の高校とは異なるカリキュラムが組まれています。そのため専門分野からの変更が難しくなります。普通高校では高校の後半に文系理系の選択になるため、高校受験の段階で将来に向けた選択をする必要があります。さらに高等専修学校の場合は通常のカリキュラムだと高卒の認定がもらえない場合もありますので更に注意が必要になります。②レポートや課題についていけなくなる可能性がある(高等専門学校)高等専門学校の場合、留年する原因になる程レポートや課題が多く出題されます。中学校までに学習習慣が付いていない、大量に課題をこなすことが苦手なお子様の場合、勉強が追いつけなくなる可能性があります。③コミュニケーションが苦手なことが影響する可能性がある高等専門学校の場合、5年一貫教育や寮生活で中学校以上に緊密な距離で学校生活を送ります。そのためコミュニケーションが苦手なお子様の場合、勉強でなく学校生活についていけない場合がございます。こちらに関しては高等専門学校を目指す発達障害の傾向があるお子様が一定数いらっしゃるため、学校によってはサポートを受けられる可能性もございます。高等専門学校も高等専修学校は共に一般高校と違い専門性を早くから身に着ける学校です。お子様の特性や長所を伸ばす可能性も秘めていますので、進路の一つとしてご検討して頂ければと思います。